VIOに除毛クリームは危険?使用する際の注意点を解説!

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VIOに除毛クリームは危険?使用する際の注意点を解説!

「簡単に体毛をつるつるにできる」と人気の除毛クリームですが、VIOに使うのはNGとされるケースが多いことをご存じでしょうか?特に、IゾーンやOゾーンは粘膜に近いため、非常にデリケートな部位であり、除毛クリームを使うと肌トラブルを招くかもしれません。

この記事では、VIOに除毛クリームを使うのが原則NGとされる理由を解説するとともに、除毛クリームの仕組みや、どうしても使いたい場合の注意点についてもご紹介します。VIOの自己処理を安全に行いたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

VIOに除毛クリームを使うのは原則NGである理由

除毛クリームは手軽に使えて仕上がりが滑らかなことから、体毛の自己処理の選択肢として人気があります。しかし、VIOゾーンへの使用は、原則としてNGです。まずは、その代表的な理由を3つ紹介します。


VIOの皮膚は薄くて敏感

VIOの皮膚は、腕や脚といったほかの部位に比べて非常に薄いため、外部からの刺激に弱いのが特徴です。除毛クリームの成分はVIOの薄い皮膚にとって刺激となりやすく、赤みやヒリヒリ感といった症状が起きやすくなります。

特に、生理前後や肌が乾燥しているときは肌のバリア機能(角質層)が低下しているため、刺激に過敏になりやすく、トラブルを引き起こしやすくなります。


粘膜部分にふれると危険

IゾーンやOゾーンは粘膜に非常に近く、少しの刺激でも強い反応が出やすい部位です。除毛クリームが粘膜に付着してしまうと、強い痛みやヒリつき、場合によっては化学やけどを引き起こすリスクもあります。

また、粘膜の奥に薬剤が入り込んでしまうと、洗い流すのも難しくなり、より深刻なトラブルを招くかもしれません。


色素沈着や黒ずみを起こしやすい

皮膚が繰り返し刺激を受けると、防御反応としてメラニン色素が過剰に産生されます。これが蓄積すると、色素沈着や黒ずみが発生してしまうことがあります。

さらに、皮膚が炎症を起こした場合、治った後に炎症後色素沈着(PIH)が起こることもあり、見た目の清潔感や美しさにも影響を与えかねません。

除毛クリーム以外の処理方法はこちら:VIOの自己処理はどのやり方が正解?おすすめアイテムと注意点を解説

 

 

除毛クリームの仕組みと使い方

 
除毛クリームは、ケラチンの特定の結合を切断して毛を軟化させ、ヘラなどで物理的に取り除くことで毛の除去が可能です。通常は塗布してから5~10分前後放置し、その後にヘラやスポンジで除毛クリームをこそぎ取ることで、除毛が完了します。
除毛クリームをヘラでこそぎ取る際には、肌に垂直にしっかりとあてるのがポイントです。

VIOへの使用は、原則NGとされている除毛クリームですが、腕や脚などには安全に使える便利なアイテムといえるでしょう。

除毛クリームを使用するメリット

除毛クリームは、VIO以外のボディには非常に使いやすく、手軽に自己処理ができる選択肢としておすすめです。ここでは、除毛クリームをボディに使用するメリットをいくつかご紹介します。

 

凹凸がある部位でも使いやすい

ひざやひじなどの曲面や、しわの多い部分はカミソリで剃るのは難しいでしょう。除毛クリームは、塗布するだけで処理できるため手軽です。


処理後の仕上がりが滑らか

 除毛クリームは毛を軟化させて処理するため、毛先が鋭利になりません。そのため、カミソリで剃ったときのようなチクチク感が少なく、さわり心地も滑らかになります。


刃を使わないので安全性が高い

除毛クリームを塗った後は、ヘラやスポンジで取り除きます。カミソリのように刃を直接肌にあてる必要がないため、誤って切ってしまうといったトラブルの心配がありません。

除毛クリームのメリット・デメリットはこちら:カミソリ以外の体毛処理方法:除毛(脱毛)クリームのメリット・デメリット

 

VIOに除毛クリームを使う場合の注意点

VIOへの除毛クリームの使用は原則NGですが、中には「VIO対応」などと明記された製品も一部存在します。ただし、そのような製品を使用する場合でも、十分な注意が必要です。
ここでは、VIO対応の除毛クリームを使用する際に、気をつけるべき点を解説します。


VIOに使えると表示されたもの以外は使わない

除毛クリームを選ぶ際には、パッケージの表示をよく確認し、VIOに使えると書かれているもの以外は使わないでください。
除毛クリームの多くには、「粘膜には使用しないでください」といった注意書きがあります。VIOは粘膜に非常に近い部位であるため、「粘膜には使用しないでください」と表示されているものは使えないと考えておくのが無難です。

また、「全身に使える」と書かれていても、小さな文字で「VIOを除く」と注釈がついていることがあるため注意が必要です。仮に、「VIO対応」とあっても、Vゾーンのみに限られていて、IゾーンやOゾーンは対象外というケースも少なくありません。
使用前には必ずパッケージや説明書をよく読み、使用可能範囲を確認しましょう。


使用前に必ずパッチテストを行う

除毛クリームに含まれる成分は、肌質によっては赤みやかゆみ、かぶれといったトラブルを引き起こすことがあります。特にデリケートなVIOでの使用は、パッチテストを行うことが大前提です。

パッチテストは、腕の内側など皮膚のやわらかい部分に少量を塗布し、製品に記載されている放置時間が過ぎたら洗い流します。その後、24時間経過して異常がなければ使用可能と判断できます。肌トラブルを未然に防ぐためにも、必ず行うようにしてください。


使用後の肌を保湿し、負担を避ける

除毛クリームを使用した後の肌は、非常に敏感で乾燥しやすい状態です。特に、VIOは皮膚が薄いため、乾燥やトラブルを防ぐためにVIO専用の保湿アイテムを使い、肌をケアしましょう。

また、除毛直後は、締め付けの強い下着や化学繊維の素材は避け、肌にやさしい綿素材のインナーを選ぶのがおすすめです。通気性を意識することで、炎症やムレによる肌トラブルも防ぎやすくなります。

 

除毛クリームをVIOに使うのは原則NG

除毛クリームは手軽で便利なアイテムですが、VIOへの使用には細心の注意が必要です。特に、IゾーンやOゾーンなど粘膜に近い部位は、強い刺激によって肌トラブルを引き起こす可能性が高いため、原則として除毛クリームの使用は避けるのが賢明といえます。

どうしても使用したい場合は、「VIO対応」と明記された製品を選び、使用前のパッチテストやアフターケアを徹底してください。肌へのやさしさを最優先に考え、VIOの自己処理を安全に行いましょう。

教えてくれたのはこの先生!

川﨑加織先生

皮フ科かわさきかおりクリニック 院長。医学博士、日本皮膚科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医。

「体の内外から美しくなれるクリニック」をコンセプトに、一般皮膚科診療だけでなく美容医療、頭髪治療なども行っている。またウェブ・雑誌での連載、サプリメント・化粧品の監修などでも、多方面に活躍の場を広げている。