【医師監修】カミソリ負けしない方法とは?原因と対策を解説
カミソリ負けは、カミソリで毛を剃った後に起こることがある肌の炎症やダメージのことです。その原因のひとつは、間違った剃り方にあるといえます。
この記事では、カミソリ負けの症状や原因のほか、正しい予防法や対処法を解説。さらに、皮膚科医がシェービングの疑問にお答えします。
カミソリ負けの症状と原因
カミソリ負けとは、カミソリで毛を剃った後に、肌が赤くなったりヒリヒリしたり、ブツブツができたりするといった炎症やダメージのことを指します。このようなシェービングによる肌トラブルの原因は、剃り方や肌の状態にあることがほとんどです。まずは、カミソリ負けの主な症状と原因について解説します。
肌が赤くなり、ヒリヒリする
カミソリ負けとしてよく見られる症状は、剃った部分の肌が赤くなり、ヒリヒリとした痛みを感じることです。カミソリで毛を剃る際、正しく剃れば古い角質だけを除去して肌を明るく見せることができますが、間違った剃り方で必要な角質層まで削ると、こうした症状が起こると考えられます。
角質層は、肌のバリア機能を担う重要な部分であり、外部からの刺激や乾燥から肌を守っています。しかし、間違ったシェービング方法によりこの角質層の表面が削られると肌が敏感になり、炎症や痛みが発生しやすくなるのです。
毛穴が赤くなる、出血する
カミソリを使用した後に毛穴の周りが赤くなったり、出血したりするのも、カミソリ負けの症状です。これは、カミソリで剃る際に、毛穴周辺の肌がダメージを受けるために起こります。毛穴はわずかに盛り上がっているため、ほかの部分よりもカミソリの刃が直接あたりやすく、ダメージを受けやすいのです。
特に、毛流れに逆らって剃る「逆剃り」をするとより大きなダメージを受けやすいほか、カミソリの刃を強くあてて剃ると刃が肌に深く入り込んでしまい、毛穴の周りの皮膚から出血することもあります。
肌にブツブツができる
カミソリで剃ってしばらくしてから、肌にブツブツとした小さなできものが現れることがあります。これもカミソリ負けの症状のひとつで、主な原因はカミソリの刃によって皮膚や毛穴の周囲の皮膚に微細な傷ができ、そこから雑菌が侵入して炎症を引き起こすことです。
また、カミソリを使う際に肌を清潔にしていないと、皮脂や汚れが毛穴に詰まり、ニキビの原因になることもあります。
カミソリ負けの予防法3選
カミソリ負けを防ぐためには、正しいシェービングとケアが重要です。ここでは、剃る前、剃っているあいだ、剃った後のステップごとに、カミソリ負けの予防法を3つに絞って解説します。
剃る前:シェービング剤を使う
剃る前の肌にシェービング剤を塗ることで、カミソリの滑りをスムーズにし、肌への負担を軽減することが可能です。またシェービング剤は、肌と毛をやわらかくして毛を剃りやすくする役割も果たします。
シック・ジャパンの調査によると、ボディシェービングを行う際にシェービング剤を使用している女性は約2割というデータがありますが、肌のためにはシェービング剤を使うことが大切です(※)。シェービング剤の中でも特に、整肌成分やスキンケア成分が配合されたものを選ぶことで、シェービング前後の肌を整えることができます。また、カミソリ自体にシェービング剤がついているタイプも便利です。
※2023年7月、自社調べ(WEB調査/20~40代女性/n=2,369)
剃っている間:二度剃り、逆剃りを避ける
同じ箇所を何度も剃る「二度剃り」は、肌への負担となります。二度剃りを避けるには、シェービング剤を塗って剃るのがおすすめです。一度剃った箇所はシェービング剤が落ちるので、剃った場所が確認できます。
また、逆剃りは肌に強い負担をかけるため、極力避けたい剃り方です。
剃った後:アフターケアをする
シェービング後の肌はデリケートな状態になっているため、すぐにアフターケアを行うことが大切です。化粧水をたっぷり使い、次に乳液やクリームで保湿をしましょう。
剃った直後にヒリヒリする場合は、冷水などで冷やして肌を落ち着かせます。保冷剤を使う場合は、直接肌にあてると冷えすぎてしまうので、タオルに包んで使うのが安全です。
それでもカミソリ負けしてしまったら市販薬を使うか、医療機関を受診
もしカミソリ負けしてしまった場合、症状が軽ければ市販薬で対処することができます。軽度の赤みやブツブツには、「きず」「かぶれ」などの効能がある皮膚用薬が効果的です。
ただし、メントールやカンフルが配合された製品は刺激が強いので避け、顔や粘膜付近にはステロイド配合の製品は避けましょう。よくわからないときは、店頭で薬剤師や登録販売者に聞いてみてください。
なお、症状がひどい場合や数日経っても改善しない場合は、医療機関を受診することをおすすめします。
皮膚科医が答える!シェービングの疑問5選
ボディシェービングに関する疑問について、皮膚科医の山﨑まいこ先生にお答えいただきました。
Q1.シェービング剤剤とボディーソープは何が違う?
一番大きな違いは含まれる成分です。シェービング剤には肌の滑りを良くすることを目的とした保湿成分が配合されています。一方、ボディソープの主成分は洗浄成分で、保湿成分なども含まれます。
ボディソープでシェービングを行うと、洗浄成分の作用により必要以上に肌を乾燥させてしまいかねません。毛をやわらかくし刃滑りを良くする成分が含まれているシェービング剤を使用することで、肌にやさしくシェービングができます。
Q2.どんなシェービング剤を選べばいいの?
透明になるタイプのシェービング剤を使用すると、剃る箇所が見えやすく、剃り残しの防止にもつながります。また、シェービング後の肌は乾燥しやすいため、シェービングしながら保湿してくれる保湿成分が含まれているものがおすすめです。
角質ケアに重点を置くなら、酵素などの角質ケア成分が含まれているシェービング剤を選ぶと、毛穴に詰まっている古い角質にアプローチしてシェービング時に除去しやすくなるといった角質ケア効果が期待できます。
Q3. 体の中で、特にボディシェービングでケアしたほうが良い部位は?
二の腕や背中、太ももの外側は、代謝が悪くなりがちで肌トラブルが気になりやすい箇所です。これらの部位は、お風呂上がりの肌がやわらかいときにボディシェービングし、お風呂上がりにきちんと保湿することで角質ケアができます。
Q4. ボディソープで注意すべき点は?
1つ目は、切れ味の良い刃を使用することです。さびた刃や何度も使用している刃は、刃が滑らかではなくなっている可能性があり、肌を傷つけてしまうかもしれません。肌トラブルを防止するためにも、刃の交換は定期的に行い、切れ味の良い刃を使用することが大切です。
2つ目は、シェービング剤を使用することです。シェービング剤には刃滑りを滑らかにする成分や毛をやわらかくする成分などが含まれているため、肌にやさしいシェービングができます。
Q5. どれくらいの頻度でボディシェービングを行えば良い?
一般的に、ボディシェービングは2~3週間に1回行うことが良いとされますが、肌が弱い人は4週間に1回程度がおすすめです。
また、生理前など肌が敏感になるタイミングでのシェービングを避けることも、肌トラブル防止につながります。
カミソリ負けを防ぐには、正しい剃り方とケアが重要
カミソリ負けを起こしてしまう主な原因は、間違ったシェービング方法やケア不足といえます。カミソリ負けの予防には、正しい剃り方とケアを行うことが重要です。
必ずシェービング剤を使って、肌にやさしい剃り方を心掛けるとともに、シェービング後の保湿もきちんと行いましょう。
教えてくれたのはこの先生!
山﨑まいこ先生
まいこ ホリスティック スキン クリニック 院長。皮膚科医。勤務医として形成外科医、皮膚科医、美容皮膚科医として務め、2017年東京・代官山にクリニックを開業。 外側の治療だけでなく、身体の内側、腸内の健康、心のあり方までサポートし、真の健康と美しさを追求。 オーダーメイドで患者に寄り添う医療には定評があり、各界著名人やビューティー関係者からの信頼も厚い。 |
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