脇毛を抜くと逆効果?埋没毛や黒ずみを招くNG習慣とは

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脇毛を抜くと逆効果?埋没毛や黒ずみを招くNG習慣とは

「脇毛を抜くとスッキリするし、長持ちするから」と、毛抜きを使って脇毛の処理をしている方も多いのではないでしょうか。結論から言うと、脇毛の自己処理の方法として「抜く」のはNGです。
この記事では、脇毛を抜くのがNGである理由を、5つの観点から解説します。また、抜く以外の脇毛の処理方法と、カミソリで処理する際のポイントについても詳しく見ていきましょう。

 

脇毛を抜くリスク

脇毛を抜くのは、肌にとって大きなリスクを伴う処理方法です。確かに、抜くと一時的にはつるつるになりますが、毛根や毛穴に大きなダメージを与えるため、肌にとっては長期的なデメリットが大きいといえます。まずは、脇毛を抜くことで生じる、代表的な5つのリスクについて見ていきましょう。

 

肌トラブルを招きやすい

毛抜きで脇毛を抜くと、毛根に強い力が加わり、毛穴が傷ついてしまいます。その結果、毛穴の炎症や細菌感染を招くことがあります。
また、一見して炎症などが起こっていなくても、内部ではダメージが蓄積しており、繰り返すことで慢性的な肌トラブルにつながるおそれもあるのです。

 

埋没毛が発生しやすい

毛を引き抜くことで肌がダメージを受けると、角質の肥厚によって毛穴がふさがることもあります。これによって、新しく生えてきた毛が皮膚の表面に出られず、皮膚の中で成長してしまったものが「埋没毛」です。
埋没毛は見た目に黒いブツブツが浮き出て見えるだけでなく、内部で炎症を起こすと痛みを伴う場合もあります。


黒ずみや色素沈着が起こりやすい

毛抜きで繰り返し刺激を受けた肌では、黒ずみや色素沈着が起こりやすくなります。刺激に対する防御反応としてメラニンの生成が促進され、過剰に蓄積されるためです。
また、毛抜きによる炎症は、炎症後色素沈着(PIH)と呼ばれる茶色いシミを招くこともあります。

 

毛穴の開きと凹凸が目立つ

毛抜きで毛を根元から引き抜くと、毛穴が一時的に広がった状態になります。そこへ皮脂や汚れが詰まってしまうと、毛穴が黒ずんだり、ブツブツとした凹凸が目立ったりすることがあるのです。
見た目にも清潔感が損なわれやすく、自己処理後に「余計に気になってしまう」という方も少なくありません。


脇のニオイが気になりやすい

「脇毛を抜いて清潔にしたつもりが、かえってニオイが気になるようになった…」というケースもあるでしょう。これは、脇毛を抜くと、毛穴周辺にある汗腺や皮脂腺にダメージを与えてしまうことがあるためです。
毛穴へのダメージが続くことで汗腺の働きが過剰になり、結果として汗のニオイが強くなる可能性もあるため、注意が必要です。

脇のニオイについてはこちら:脇のにおいが気になる女性必見!発生のメカニズムと対策を解説

 

 

抜く以外の脇毛の処理方法

脇毛の処理方法として、抜くのは肌へのリスクが大きいためおすすめできません。ここでは、手軽にできる肌への負担が少ない脇毛の処理方法として、カミソリ、除毛クリーム、電動シェーバーの3つをご紹介します。


カミソリ

脇毛の処理方法としてポピュラーなのは、カミソリを使う方法です。毛を引き抜かないため毛穴へのダメージが少なく、正しい使い方をすれば肌トラブルのリスクも抑えられます。さらに、剃ると同時に古くなった角質も除去できるため、肌のトーンアップ効果も期待できるでしょう。

また、カミソリは手に入りやすくコストパフォーマンスにも優れており、刃を交換すれば長く使えるのも魅力です。ただし、毛が伸びてきたらこまめに処理する必要があるため、定期的なケアは欠かせません。


除毛クリーム

除毛クリームを使った処理方法は、ケラチンの特定の結合を切断することで毛を軟化させ、ヘラなどで物理的に取り除くことで毛を除去するものです。カミソリで剃ると刃のあいだに詰まってしまうような太い毛や、密集して生えている毛の処理におすすめで、広範囲を一度に処理できます。

ただし、塗ってから約5~10分の放置時間が必要なことに注意が必要です。また、肌が敏感な方は刺激を感じることがあるため、必ずパッチテストをしてから使うようにしましょう。


電動シェーバー

電動シェーバーは、刃が直接肌にふれない構造になっているため、肌に負担をかけにくいのが特徴です。急いでいるときや外出先で便利に使えます。

広い範囲を短時間で処理できる点も、忙しい方にとってはうれしいポイント。ただし、深剃りにはやや不向きなことがあり、毛の伸びが速いと感じるかもしれません。

カミソリと電気シェーバーの使い方はこちら:【女性の脇毛処理】きれいな剃り方は?電気シェーバーとカミソリの使い方を解説

 

 

カミソリで脇毛を処理する際のポイント

脇毛の処理方法として、手軽できれいに仕上げるのに、おすすめなのがカミソリです。しかし、カミソリは正しく使わなければ、肌トラブルにつながることもあります。
ここでは、カミソリで脇毛を安全かつきれいに処理するためのポイントを、3つご紹介します。


肌をしっかり保湿し、必ずシェービング剤を使用する

脇毛を剃る際に肌に負担をかけないためには、剃る前に肌と毛をやわらかくすることが大切です。その意味で、入浴中や入浴後はお湯で肌と毛がやわらかくなっているため、処理に最適なタイミングといえます。あるいは、お湯や蒸しタオルで肌を温めた後に剃ることで、肌へのダメージを軽減できるでしょう。

また、シェービング剤を使用することで滑らかに剃ることができ、摩擦による刺激を軽減できます。必ず専用のシェービング剤を使い、ボディソープや洗顔料で代用するのは避けてください。


清潔なカミソリを使用し、力を入れすぎずに剃る

カミソリの刃にサビや汚れがついていると、肌に微細な傷をつける原因になります。使用後はしっかり洗って乾燥させ、定期的に刃を交換することで清潔な状態を保ちましょう。

剃るときは力を入れすぎず、「米」の字を書くように小さく動かすのがコツです。脇はカーブやしわが多い部分なので、肌を軽く伸ばしながら剃るとスムーズに処理できます。


剃った後のケアをきちんと行う

カミソリで剃った後の肌は乾燥しやすく、敏感な状態になっています。処理後はすぐに乳液やクリームで、きちんと保湿してください。

また、剃った直後は締め付けの強い服や通気性の悪い素材を避け、なるべく肌への刺激を減らすことも大切です。脇の肌をすこやかに保つことで、次回の処理もスムーズになり、美しい仕上がりが持続します。

 

 

肌にやさしい方法で、脇毛を快適にケアしよう

脇毛を抜くという処理方法は、一時的なスッキリ感があるものの、肌トラブルや黒ずみ、ニオイなどのリスクが伴います。長期的に美しい肌を保つためには、抜くのではなくカミソリや電動シェーバーなど、肌への負担が少ない方法を選ぶことが大切です。

カミソリを使う場合は、正しい剃り方とアフターケアを実践することで、肌を守りながらすっきりと処理できます。肌をいたわる処理方法を選び、毎日のボディケアをもっと快適にしていきましょう。

教えてくれたのはこの先生!

川﨑加織先生

皮フ科かわさきかおりクリニック 院長。医学博士、日本皮膚科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医。

「体の内外から美しくなれるクリニック」をコンセプトに、一般皮膚科診療だけでなく美容医療、頭髪治療なども行っている。またウェブ・雑誌での連載、サプリメント・化粧品の監修などでも、多方面に活躍の場を広げている。